モバイルバッテリー(モバ充)が膨らんでいるのに気づいたら、すぐに充電と使用をやめ、ケーブルを外してください。押したり穴を開けたりせず、燃えやすいものから離して、金属製の缶などふたのできる容器に入れて保管します。膨らんだ電池の中には燃えやすいガスがたまっていて、強い力や熱が加わると発火するおそれがあります。

膨張したモバイルバッテリーは、家電量販店などにあるリサイクルボックスには入れられません。捨てるときは、お住まいの自治体の案内に従うか、製品のメーカーに問い合わせてください。

この記事では、応急処置の手順、捨てるまでの保管のしかた、捨て方、発火したときの対処、膨張を防ぐ使い方を、製品評価技術基盤機構(NITE)や国土交通省が公表している情報をもとにまとめました。スマホやパソコン本体のバッテリーが膨らんだときの対処と、郵送で修理に出すときの注意点も説明します。

膨張に気づいたときの応急処置

  1. 充電と使用をやめ、ケーブルを外す:スマホなどにつないでいる場合も外します。
  2. 押さない・へこませない・穴を開けない:膨らみを押して元に戻そうとして、火災になった事故も起きています。
  3. 燃えやすいものから離す:布団やカーテン、紙類などの近くに置かないようにします。
  4. 金属製の容器に入れてふたをする:お菓子の缶などが使えます。万が一発火したときに、周りへ燃え広がるのを抑えられます。
  5. リコール対象か確認し、メーカーや販売店に相談する:型番をメーカーのサイトや消費者庁のリコール情報サイトで確認します。

本体が熱くなっている、煙や焦げたにおいがする、パチパチと音がするといった場合は、無理に触らず距離を取ってください。火や煙が出たときの対処は「発火したときの対処」で説明しています。

膨らんだときに金属製の容器に入れて保管する方法は、NITEが動画で紹介しています。

やってはいけないこと

  • 膨らみを押して戻す・つぶす:内部がショートし、発火するおそれがあります。
  • 分解する・穴を開けて中を確かめる:中のガスや液が漏れ、発火するおそれがあります。
  • 充電する・使い切ろうとする:膨らんだ状態で充電や放電を続けると、発熱や発火につながるおそれがあります。
  • 冷蔵庫や冷凍庫で冷やす:取り出したときの温度変化で結露し、故障や発火の原因になるおそれがあります。
  • ふつうのごみ袋に入れて捨てる:ごみ収集車や処理施設で押しつぶされ、火災につながるおそれがあります。
  • 車内や日の当たる場所に置いておく:高温になると、発火のおそれが高まります。
  • 自分の判断で宅配便に出す・飛行機に持ち込む:運ぶ途中で押されたり衝撃を受けたりすると、発火するおそれがあります。送る必要があるときは、送り先(メーカーや修理店など)に事前に相談してください。

膨らんだモバイルバッテリーは爆発する?どのくらい危険か

膨らんだモバイルバッテリーは、強い衝撃や力が加わったり、充電を続けたり、高温になったりすると、破裂や発火につながるおそれがあります。膨らんだ電池の中には燃えやすいガスがたまっていて、熱が出るとそのガスに火がつくおそれがあるためです。

膨らみが小さければ安全、ということはありません。いつ発火するかを外から見分けることもできないため、NITEも、膨らんで変形しているときは、すぐに充電や使用をやめるよう呼びかけています。少しの膨らみでも、使うのをやめて処分してください。

NITEが2025年3月に行ったアンケートでも、モバイルバッテリーでヒヤリとした経験や事故の経験として最も多かったのは「膨らんだ(変形した)」でした。

膨張していないか確認する方法

膨らみ始めは見た目ではわかりにくいことがあります。次のような変化があれば、膨張や劣化を疑ってください。

  • 平らな机に置くと、ぐらついたり回ったりする
  • ケースのつなぎ目にすき間ができた、表面がふくらんでいる
  • 充電中や使用中に、以前より熱くなる
  • 充電できない、急に電源が切れる
  • 焦げたようなにおいや、異音がする
  • 表面が変色している
  • 落としたりぶつけたりした後から、形が変わった

NITEは、こうした異常に気づいたら充電や使用をやめ、購入した販売店やメーカーに相談するよう呼びかけています。

花火大会でモバイルバッテリーを使ってスマホを充電する様子(イメージ)
屋外のイベントなどで使うときも、モバイルバッテリーが熱くなっていないか、ときどき確かめてください(イメージ)

捨てるまでの保管のしかた

すぐに捨てられないときは、次の点に気をつけて保管します。長く置いておかず、できるだけ早く処分してください。

  • 金属製のふた付き容器に入れる
  • 直射日光の当たらない、涼しい場所に置く
  • 周りに燃えやすいものを置かない
  • 上に物を載せない、引き出しなどに押し込まない
  • 子どもの手の届かない場所に置く

膨張したモバイルバッテリーの捨て方

家電量販店やホームセンターにあるリサイクルボックス(一般社団法人JBRCの回収)で回収されるのは、JBRCの会員企業の製品で、破損・水ぬれ・膨張などの異常がない電池に限られます。膨張したものは、次の方法で処分します。

  • 自治体の案内に従う:回収の方法は自治体によって異なります。お住まいの自治体のサイトや、ごみの分け方の案内で「膨張したリチウムイオン電池」の出し方を確認してください。わからない場合は、清掃事務所などに問い合わせます。
  • 製品のメーカーに問い合わせる:2026年4月に施行された改正資源有効利用促進法で、モバイルバッテリーのメーカーなどに回収とリサイクルが求められるようになりました。膨張したものを受け付けるかどうかはメーカーによって異なるため、事前に確認してください。

自治体によっては、出すときに差し込み口などをビニールテープでふさぐ(絶縁する)よう求めています。膨張していない使い終わったモバイルバッテリーは、できるだけ使い切ってから、リサイクルボックスや自治体の回収に出します。使い切った状態のほうが、発火などのリスクが低くなるためです。

発火したときの対処

NITEが神戸市消防局の監修で公開している動画では、モバイルバッテリーのような小さなものが発火したときの対処を、次のように案内しています。

  1. 煙や炎が噴き出している間は、絶対に近づかない
  2. 火花が収まったら、大量の水をかけて消火する
  3. 火が消えた後も電池は熱を持っているため、できるだけ水に沈めた状態にして、消防に通報する

自分で対処するのが難しいと感じたら、身の安全を最優先にして119番に通報してください。

膨張の原因と、起きやすい状況

モバイルバッテリーの中には、スマホやパソコンと同じリチウムイオン電池が入っています。電池は充電と放電をくり返すうちに少しずつ劣化し、内部でガスが発生すると外側がふくらみます。次のような状況で起きやすくなります。

  • 高温:夏の車内や直射日光の当たる場所に置いた
  • 衝撃:落とした、踏んだ、かばんの中で強く押された
  • 劣化:長く使っていて、充電できる量が減ってきた
  • 品質:安全対策が不十分な製品や、リコール対象の製品を使っている
  • 水ぬれ:雨や飲み物でぬれた

NITEによると、リチウムイオン電池を使った製品の事故は、2020年から2024年の5年間で1,860件あり、製品別ではモバイルバッテリーが最も多くなっています。事故は気温の上がる6〜8月に多く、8月が最多です。高温の車内に置いたモバイルバッテリーが発火した事故も報告されています(NITE 2025年6月26日発表)。

膨張・発火を防ぐ使い方と選び方

  • 高温の場所に置かない:車内、窓際、暖房器具の近くを避けます。
  • 強い衝撃を与えない:落としたり、重い物の下敷きにしたりしないようにします。
  • 金属と一緒に持ち歩かない:かばんの中で鍵や硬貨などに差し込み口が触れると、ショートするおそれがあります。ポーチやケースに入れて持ち歩きます。
  • 充電中はときどき様子を見る:布団やソファの上など熱がこもりやすい場所では充電せず、寝ている間など目の届かないところで長時間充電し続けないようにします。
  • 連絡先が確かなメーカー・販売店から買う:不具合があったときに相談できるかを確認します。
  • PSEマークを確認する:モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象で、PSEマークの表示が必要です。
  • リコール情報を確認する:買う前だけでなく、使っている間も、持っている製品がリコール対象になっていないか確認します。NITEによると、2020年から2024年の5年間に、リコール対象のリチウムイオン電池搭載製品による事故が363件起きています。

レンタル・共用のモバイルバッテリーを使うとき

駅やコンビニなどで借りられるモバイルバッテリーも、中身は同じリチウムイオン電池です。借りるときに膨らみや傷、変色がないかを確認し、使っている途中で異常に熱くなったら使うのをやめて、貸し出している事業者に連絡してください。

飛行機に持ち込むときのルール(2026年4月から変更)

国土交通省は、2026年4月24日からモバイルバッテリーの機内持ち込みのルールを変更しました(国土交通省の発表)。主な内容は次のとおりです。

項目 ルール
預け入れ荷物 入れられない(機内持ち込みのみ)
持ち込める個数 1人2個まで(160Wh以下のものに限る)
機内での充電 モバイルバッテリーを充電しない
機内での使用 モバイルバッテリーからスマホなどを充電しない
置き場所 座席上の収納棚に入れず、座席ポケットなど手元に置く
ショート対策 端子に絶縁テープを貼る、ケースや袋に入れるなど、1個ずつ保護する

預け入れや個数・容量の制限などに違反すると、航空法により罰則が科される可能性があります。航空会社によっては、より厳しいルールを設けている場合もあるため、搭乗前に利用する航空会社の案内を確認してください。膨らんだり傷んだりしたモバイルバッテリーは、機内で発煙・発火するおそれがあるため、飛行機に持ち込まないでください。

スマホ・タブレット・パソコン本体のバッテリーが膨らんだ場合

スマホやタブレット、パソコン本体の中にも、同じリチウムイオン電池が入っています。本体のバッテリーが膨らむと、次のような症状が出ます。

  • 画面が浮き上がる、すき間ができる
  • 背面が盛り上がる、机に置くとぐらつく
  • タッチの反応が悪くなる
  • ノートパソコンのタッチパッドやキーボードが押し上げられる

本体の電池は、自分で開けて取り出そうとすると発火のおそれがあります。分解はせず、修理店に相談してください。

修理に出すまでの保管のしかた

スマホやタブレット、パソコンのバッテリーが膨らんだときは、修理に出すまで次の点に気をつけてください。

  • 充電をやめ、電源を切る
  • 画面や背面を押さない、押し戻そうとしない
  • 燃えやすいものから離し、上に物を載せない
  • 直射日光の当たらない、涼しい場所に置く

修理のキクチのバッテリー交換料金

修理のキクチでは、本体のバッテリー交換を次の料金(税込)で承っています。料金は機種や状態によって変わります。正式な料金は、お品物到着後の点検・お見積もりでご案内します。

機器 料金(税込)
iPhone 4,400円〜
Androidスマホ 8,800円〜
Windowsノートパソコン 8,800円〜(富士通・NECは9,900円〜)
MacBook Air / Pro 25,800円〜
Nintendo Switch 4,400円〜

iPadは、機種名をお知らせいただければ概算をご案内します。

膨張した機器を郵送修理に出すとき

膨らんだバッテリーが入った機器を郵送で送る前には、必ず当店にご相談ください。機器や膨らみの状態をうかがい、送れるかどうかと梱包のしかたをご案内します。膨らんだバッテリーが入った機器は、運送会社によっては航空便で運べないなど、送り方に制限がある場合があります。

送る場合は、圧力がかからないよう緩衝材を多めに入れて梱包してください。名古屋市今池の店舗への持ち込みもできます。

機器ごとの詳しい対処は、スマホのバッテリーが膨らんだとき、ノートパソコンのバッテリー膨張、MacBookのバッテリー劣化・膨張の記事で説明しています。

修理店でスマホのバッテリーを点検する様子(イメージ)
スマホ本体のバッテリーが膨らんだときは、自分で開けずに修理店へ相談してください(イメージ)

よくある質問

Q. 少し膨らんでいるだけなら、使い続けてもいいですか?

A. 使い続けないでください。膨らみが小さくても、内部では異常が起きています。充電や使用をやめ、金属製の容器に入れて保管し、早めに処分してください。

Q. 押せば元に戻りますか?

A. 戻りません。膨らみを押して元に戻そうとして、火災になった事故も報告されています。触らずに保管してください。

Q. 発火したら、水をかけてもいいですか?

A. NITEは、モバイルバッテリーのような小さなものであれば、火花が収まってから大量の水をかけて消火し、その後もできるだけ水に沈めておくよう案内しています。煙や炎が噴き出している間は近づかず、難しいと感じたら119番に通報してください。

Q. 家電量販店で回収してもらえますか?

A. 店頭のリサイクルボックスには、膨張したものは入れられません。自治体の案内に従うか、メーカーに問い合わせてください。

Q. 冷やせば安全になりますか?

A. 冷蔵庫や冷凍庫で冷やすのは避けてください。取り出したときの結露が、故障や発火の原因になるおそれがあります。涼しい場所で、金属製の容器に入れて保管します。

Q. 宅配便で送って処分できますか?

A. 膨張したものは、運ぶ途中で押されたり衝撃を受けたりすると発火するおそれがあるため、自分の判断で送らないでください。メーカーが回収する場合は、送り方などの指示に従ってください。

Q. 車の中に置いたままにしても大丈夫ですか?

A. 置いたままにしないでください。夏の車内は高温になりやすく、車内でモバイルバッテリーが発火した事故もNITEに報告されています。車を離れるときは持ち出してください。

Q. 子どもにモバイルバッテリーを持たせるときの注意点は?

A. 寝ている間の充電や、目の届かない場所での長時間の充電は避けるよう伝えてください。熱さや膨らみに気づきにくいことがあるため、ときどき保護者の方が状態を確認すると安心です。

Q. 買い替えの目安はありますか?

A. 充電できる回数には限りがあり、使うほど劣化します。充電の減りが早くなった、満充電までの時間が変わった、以前より熱くなるといった変化が出たら、買い替えを考えてください。膨らんだ場合は、すぐに使うのをやめます。

Q. 膨張したスマホやパソコンの修理は受け付けていますか?

A. はい。スマホ・タブレット・パソコン・ゲーム機のバッテリー交換などを承っています。沖縄県を除く全国から郵送で受け付けており、名古屋市今池の店舗への持ち込みもできます。膨張している機器を郵送する場合は、発送前に必ずご相談ください。発送前のご相談・概算のご案内は無料です。

まとめ

  • 膨らんだら、すぐに充電と使用をやめ、押さずに金属製の容器に入れて保管する
  • 膨らみが小さくても安全とはいえないため、使い続けない
  • リサイクルボックスには入れず、自治体やメーカーの案内に従って処分する
  • 発火したら近づかず、火花が収まってから大量の水で消火し、水に沈めて消防へ通報する
  • 2026年4月24日から、飛行機に持ち込めるのは1人2個まで。機内ではモバイルバッテリーを充電せず、モバイルバッテリーからの充電もしない
  • スマホやパソコン本体のバッテリーが膨らんだら、自分で開けずに修理店へ相談する

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