スマホやタブレットを使っていて、本体がなんとなくふっくらしてきた、背面がぽっこりと浮き上がってきた、という経験はないでしょうか。これはバッテリー膨張と呼ばれる症状で、放置すると非常に危険な状態になることがあります。
バッテリー膨張は、iPhoneやAndroidスマホ、iPad、ノートPCなど、リチウムイオンバッテリーを搭載したすべてのデバイスで起こり得ます。最悪の場合、発火や爆発につながるリスクもあるため、早期発見と適切な対処が非常に重要です。特に夏場は気温の上昇や車内への放置などにより、バッテリー膨張が起こりやすい季節でもあります。
本記事では、修理のキクチがバッテリー膨張が起こる原因から危険性、応急処置の方法、各機種の修理費用まで徹底解説します。「スマホの背面が浮いている気がする」「最近充電がすぐ減る」「本体が以前より分厚く感じる」と思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

バッテリー膨張とは?リチウムイオンバッテリーが膨らむ仕組み
現代のスマートフォン・タブレット・ノートPCには、ほぼすべてリチウムイオンバッテリーまたはリチウムポリマーバッテリーが搭載されています。これらのバッテリーは軽量・高容量という優れた特性を持つ一方で、劣化や異常が発生すると内部でガスが発生しやすいという弱点があります。
バッテリーの内部では、充放電を繰り返すたびに電解質の分解が少しずつ進みます。この過程でガス(主に二酸化炭素や炭化水素系ガス)が発生し、バッテリーのパウチ(外装フィルム)内に蓄積されていきます。最初はごくわずかですが、劣化が進むにつれてガスの量が増え、バッテリーパック全体が膨らんでいきます。これがバッテリー膨張の正体です。
スマートフォンの場合、バッテリーはボディの内部に密閉されているため、膨張が進むと本体の背面パネルや液晶画面を内側から押し広げます。その結果、「背面が浮いてきた」「画面の端が浮いている」「スクリーンが割れた」などの症状として現れます。放置すると、最終的にはバッテリーが破裂したり発火したりする危険があるため、早めの対処が必須です。
バッテリー膨張の主な原因5つ
なぜバッテリー膨張は起こるのでしょうか。主な原因を5つにまとめました。
原因①:経年劣化(使用年数の経過)
リチウムイオンバッテリーには寿命があります。一般的な充電サイクルは約500〜800回とされており、2〜3年以上使用したデバイスは劣化が進んでいます。特に充電サイクルを重ねるごとに電解液が分解しやすくなり、ガス発生のリスクが高まります。「3年以上使っているスマホ」はバッテリー膨張が起きやすい状態にあると考えてください。
原因②:高温環境への長時間放置
リチウムイオンバッテリーは高温に非常に弱いです。夏場の車内は気温が60〜70℃以上になることもあり、そのような環境にデバイスを放置すると、バッテリー内部の化学反応が異常に促進されてガスが発生します。また、直射日光の当たる場所での使用・保管、布団の中での充電なども高温環境の原因となります。
原因③:過充電・100%のまま充電し続ける習慣
スマートフォンを100%充電したまま充電器につなぎっぱなしにする習慣は、バッテリーに大きな負担をかけます。最近のデバイスには過充電保護機能が搭載されていますが、それでも長期間にわたって高い充電状態を維持することはバッテリーの劣化を早め、膨張リスクを高めます。特に寝ている間じゅう充電している方は注意が必要です。
原因④:物理的な衝撃・落下
スマホの落下や圧力による衝撃がバッテリーに伝わると、内部のセルが変形し、絶縁層が破れてガスが発生することがあります。外見上は傷がなくても、内部のバッテリーがダメージを受けているケースも少なくありません。
原因⑤:非純正・粗悪品バッテリーへの交換
信頼性の低い非純正バッテリーや規格外の互換品に交換した場合、品質管理が不十分なためガス発生が起きやすく、膨張リスクが高まります。バッテリー交換は必ず信頼できる修理店で、品質が確認された部品を使用してもらうことが重要です。
バッテリー膨張の危険性:発火・爆発はなぜ起きるのか
バッテリー膨張を「見た目の問題だけ」と軽視するのは非常に危険です。膨張が進行すると、以下の深刻なリスクがあります。
発火・爆発のリスク
膨張したバッテリーは内部構造が変形しており、ショートが発生しやすい状態にあります。特に膨らんだバッテリーに物理的な圧力が加わると、内部で急激な化学反応(熱暴走)が起き、発火や爆発につながることがあります。実際に国内外でスマートフォンのバッテリーが発火した事例は多数報告されており、火災や火傷の被害が発生しています。
液晶・タッチパネルの破損
膨張したバッテリーが内側から画面を押し広げることで、液晶パネルが割れたり、タッチパネルが正常に動作しなくなることがあります。画面修理を依頼したら、実はバッテリー膨張が原因だったというケースも修理の現場では非常によく見られます。
基板・内部部品へのダメージ
バッテリーの膨張が進むと、周囲の基板やコネクタ、カメラモジュールなどの部品に物理的なダメージを与えます。バッテリー交換だけでは直らず、追加の部品交換が必要になるケースもあります。
バッテリー膨張かどうか確認する方法
「もしかしてバッテリーが膨らんでいる?」と感じたら、以下の方法でチェックしてみてください。
視覚チェック
スマホをテーブルに置いたとき、本体が平らではなくわずかに丸みを帯びている場合、バッテリー膨張の可能性があります。また、iPhoneなどで背面ガラスが浮いていたり、Androidで背面カバーが持ち上がっていたりするのも典型的なサインです。画面の端が本体から少し浮いているように見える場合も要注意です。
スピンテスト
スマホをテーブルの上に置いてくるっと回してみてください(スピンテスト)。正常なスマホはほとんど回転しませんが、バッテリーが膨らんでいると本体が反ってコマのように回転することがあります。ただし、このテストで強く押したり叩いたりするのは禁物です。
充電・バッテリー持ちの変化
バッテリーが膨張し始めると、通常よりも充電の減りが早くなったり、突然シャットダウンするようになります。また、充電しても100%まで到達しない、充電中に本体が異常に熱くなるなどの症状も見られます。
iPhoneのバッテリー状態確認
iPhoneをお使いの場合は、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から最大容量を確認できます。80%以下になっていると劣化が進んでいる状態で、膨張リスクも高まっています。

バッテリー膨張を発見したら絶対にやってはいけないこと
膨張したバッテリーを発見した際、良かれと思ってやってしまいがちな行動が、実は非常に危険なことがあります。以下のことは絶対に行わないでください。
自分でバッテリーを取り出そうとする
「取り出せば安全」と思って自分でバッテリーを取り外しようとするのは非常に危険です。膨張したバッテリーは内部でガスが充満しており、無理に曲げたり刺したりすると、ガスが引火して発火・爆発する恐れがあります。バッテリーの取り外しは必ず専門の修理店に依頼してください。
針や釘で穴を開ける、押しつぶす
「ガスを抜けば安全」という誤った認識で穴を開けようとするのは絶対禁止です。バッテリー内部の電解液は可燃性であり、空気(酸素)と接触した瞬間に発火するリスクがあります。
膨張したまま充電を続ける
バッテリー膨張に気づいた後も「まだ使える」と充電を続けるのは危険です。充電のたびに内部でさらなる化学反応が進み、膨張が加速します。膨張を確認したらすぐに充電をやめてください。
燃えるゴミとして捨てる
膨張したバッテリーを通常のゴミとして捨てるのも危険です。ゴミ収集車での圧縮や廃棄処理の過程で発火する恐れがあります。バッテリーは各自治体の小型家電リサイクル回収ボックスや、家電量販店の回収ボックスに持ち込んでください。
バッテリー膨張を発見したときの正しい対応手順
膨張を発見した場合は、以下の手順で対応してください。
まず、すぐに充電器を抜き、デバイスの電源を切ります。充電中であれば特に急いでケーブルを外してください。次に、デバイスを高温にならない場所(直射日光・車内・布団の中などを避けた場所)に置きます。膨らんでいるバッテリーには絶対に圧力をかけないようにしてください。
その後、できるだけ早く修理専門店に持ち込みましょう。修理店ではバッテリーを安全に取り出し、新品バッテリーへの交換を行ってくれます。持ち運ぶ際は衝撃を与えないよう注意し、できれば袋などに入れて持ち込むと安全です。
なお、飛行機への持ち込みは膨張したバッテリーは原則として禁止されていますので、旅行前に必ず修理を済ませておきましょう。
iPhoneのバッテリー膨張修理費用の目安(2026年版)
iPhoneのバッテリー膨張修理(バッテリー交換)の費用目安を機種別にご紹介します。修理専門店の場合、AppleCareや正規店よりも低コストで対応できることが多いです。
iPhone 16 / 16 Plus / 16 Pro / 16 Pro Maxでは、修理専門店でのバッテリー交換費用はおよそ8,000円〜12,000円程度です。最新モデルで部品コストが高めのため、この価格帯になります。
iPhone 15 / 15 Plus / 15 Pro / 15 Pro Maxは、6,000円〜10,000円前後が目安です。iPhone 14 / 14 Plus / 14 Pro / 14 Pro Maxも同程度の価格帯で対応できることが多いです。
iPhone 13 / 13 mini / 13 Pro / 13 Pro Maxは5,000円〜8,000円、iPhone 12シリーズも同様の価格帯です。iPhone SE(第2・第3・第4世代)は4,000円〜6,000円程度で交換できるケースが多いです。
なお、バッテリー膨張が進んでいる場合、液晶や基板にもダメージが出ていることがあり、バッテリー交換だけでなく画面修理や基板修理が追加で必要になることもあります。修理店での事前診断を受けることをおすすめします。
AndroidスマホのバッテリーがなぜiPhoneより高額になることがある?機種別修理費用
Androidスマホはメーカーや機種によって構造が異なるため、バッテリー交換の難易度・費用も幅があります。
Galaxyシリーズ(Samsung)は高い防水性能のため分解難易度が高く、Galaxy S24・S25などのハイエンド機種では修理専門店でも10,000円〜15,000円程度になることがあります。Galaxy A系のミドルレンジは8,000円前後が目安です。
Google Pixelシリーズは、Pixel 8・9・9 Proなどで7,000円〜12,000円程度。Pixel 6・7シリーズも同様の価格帯です。
AQUOSシリーズ(Sharp)は国内向けモデルが多く、6,000円〜10,000円程度。Xperia(Sony)は防水・防塵対応モデルが多く分解が難しいため、8,000円〜14,000円程度になるケースがあります。
なお、バッテリーが膨張して本体が変形している場合、追加の部品が必要になったり、修理工数が増えたりするため、通常のバッテリー交換より費用が上がることがあります。事前の無料診断をご活用ください。
iPadやAndroidタブレットのバッテリー膨張修理
タブレットはスマートフォンよりもバッテリー容量が大きいため、膨張したときのリスクも高くなります。また、バッテリー自体が大きいため、膨張すると本体の変形が顕著に現れます。
iPadシリーズのバッテリー交換費用は機種によって異なります。iPad Pro(12.9インチ・11インチ)は15,000円〜20,000円程度、iPad Air(第4・5世代)は10,000円〜14,000円、iPad(第9・10世代)は8,000円〜12,000円、iPad miniは8,000円〜12,000円が目安です。
Androidタブレット(Galaxy Tab・Lenovo・Huaweiなど)は機種によって差がありますが、8,000円〜15,000円程度が一般的な修理費用の目安です。
タブレットはサイズが大きい分、膨張によって画面割れが起きやすく、液晶交換が同時に必要になるケースも少なくありません。
ノートPC・MacBookのバッテリー膨張修理費用と注意点
ノートPCやMacBookでもバッテリー膨張は起こります。特に数年使用したMacBook Air・MacBook Proでは、バッテリーが膨らんでキーボードが打ちにくくなったり、トラックパッドがクリックできなくなったりするケースが多く報告されています。
MacBook Air(M1・M2・M3)のバッテリー交換費用は、修理専門店で15,000円〜25,000円程度。MacBook Pro(M2・M3・M4)は20,000円〜35,000円程度が目安です。
Windows系ノートPCはメーカーによって大きく異なりますが、Surface Proシリーズは15,000円〜30,000円程度、一般的なThinkPad・VAIO・DELLなどは10,000円〜20,000円程度が修理専門店の相場です。
PCのバッテリー膨張はキーボードの浮き上がりや液晶の歪みを引き起こすことがあり、バッテリー交換に加えてパームレストやキーボードの修理が必要になるケースもあります。異変に気づいたら、早めに専門店に診断してもらいましょう。
バッテリー膨張を予防するための日常的な5つの習慣
バッテリー膨張は適切なケアである程度予防できます。以下の習慣を心がけることで、バッテリーの寿命を延ばし、膨張リスクを大幅に下げることができます。
習慣①:充電は20〜80%の範囲でキープする
リチウムイオンバッテリーは、充電残量が非常に低い(0〜10%)か、非常に高い(90〜100%)状態が長く続くと劣化が加速します。理想は20〜80%の範囲を保つことです。iPhoneでは「最適化されたバッテリー充電」機能をオンにすることで、自動的に充電を80%前後で一時停止してくれます。
習慣②:高温・直射日光を避ける
夏場の車内やダッシュボードの上、直射日光が当たる窓際などにスマホを放置しないようにしましょう。デバイスの使用推奨温度は一般的に0〜35℃です。これを超える環境では使用・保管しないことが基本です。
習慣③:寝るときに充電しない(または省電力設定を利用する)
就寝中の充電は長時間100%状態が続くため、バッテリーへの負担が大きいです。iPhoneの「最適化されたバッテリー充電」やAndroidの「バッテリー保護モード」などを活用することで、長時間の過充電を防ぎましょう。
習慣④:純正または品質保証済みの充電器を使用する
100均やノーブランドの格安充電器は電圧が不安定で、バッテリーへのダメージが大きくなることがあります。MFi認定(iPhoneの場合)やUSB-PD対応の充電器など、品質が保証された充電器を選びましょう。
習慣⑤:2〜3年使用したらバッテリーの状態を確認する
iPhoneなら「バッテリーの状態」を定期的に確認し、80%を切ったら交換を検討してください。Androidは各メーカーのアプリや診断機能でバッテリー状態を確認できます。膨張する前に定期交換することが最も安全な予防策です。
スマホ保険・補償でバッテリー膨張は補償される?
バッテリー膨張の修理を考えるとき、「スマホ保険や補償サービスは使えないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。結論から言うと、加入している保険・補償の種類によって対応が異なります。
キャリアの補償サービス(ドコモケータイ補償、auスマートパス、ソフトバンクあんしん保証など)は、水没や画面割れは補償されますが、バッテリー膨張・交換は「消耗品の交換」として対象外となることがほとんどです。補償内容の詳細は各キャリアのサービス規約を確認してください。
AppleCare+(iPhoneの場合)では、バッテリーの最大容量が80%未満に低下した場合はバッテリー交換が無償で行われます。ただしバッテリー膨張そのものはAppleCareの保証対象ではなく、別途有償対応になる場合があります。AppleCare+の「過失または事故による損傷」扱いとなるかどうかはAppleに確認が必要です。
クレジットカードの付帯保険(モバイル保険など)は、機種・保険種別によって対応が異なります。修理費用を補償してくれるものもありますが、バッテリー交換が「修理」として扱われるかどうかは保険会社に問い合わせましょう。
修理のキクチでは、保険適用の有無にかかわらず、リーズナブルな価格でバッテリー交換に対応しています。まずは無料診断のご連絡をお気軽にどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. バッテリーが膨らんでいるかどうか見た目でわからない場合はどうすれば良い?
A. 微妙な膨らみは素人目には判断しにくいことがあります。「充電の減りが早くなった」「本体が少し熱くなりやすい」「スマホを置いたとき以前より揺れる気がする」などの症状があれば、念のため修理店で無料診断を受けることをおすすめします。修理のキクチでは診断料無料でご確認いただけます。
Q. バッテリーが膨らんでいても、しばらく使い続けても大丈夫?
A. 危険です。膨張したバッテリーはいつ発火するかわからない状態であり、膨らみが進むほどリスクが高まります。発見したらできるだけ早く修理に出すことを強くおすすめします。特に充電はすぐにやめてください。
Q. バッテリー交換後、また膨張することはある?
A. 信頼できる修理店で品質の確認された部品に交換した場合、通常は再膨張のリスクは低いです。ただし、充電習慣や使用環境が改善されないと、再び劣化が進む可能性があります。交換後もバッテリーに負荷をかけない使い方を心がけましょう。
Q. バッテリー交換とスマホの買い替えはどちらがお得?
A. 機種の年齢や他の部品の状態によって異なります。発売から2〜3年以内であればバッテリー交換の方がコストパフォーマンスに優れています。4〜5年以上経過しているモデルや、他にも複数の不具合がある場合は、買い替えを検討するタイミングかもしれません。修理のキクチでは修理とご継続使用のどちらがお得かをご相談いただけます。
Q. 郵送修理でもバッテリー膨張の修理はできる?
A. 原則として、航空法の規定により膨張したバッテリーを搭載したデバイスは航空輸送が禁止または制限されています。膨張が顕著な場合は郵送修理よりも、お近くの修理店への持ち込みをおすすめします。軽度の膨張や発送前に修理店に確認した上であれば対応できる場合もありますので、まずはお問い合わせください。
まとめ:バッテリー膨張は早期対応が最重要!
バッテリー膨張は決して珍しい故障ではありません。スマートフォンやタブレット、ノートPCを2〜3年以上使用しているなら、誰にでも起こり得る問題です。しかし、放置すれば発火・爆発・本体破損といった深刻な事態につながる危険性があります。
大切なのは、「本体が少しおかしい」「充電の減りが早い」と感じたら早めに確認・対応することです。バッテリーの状態は定期的にチェックし、劣化が進んでいる場合は膨張する前に交換しておくことが、最も安全で経済的な対策です。
修理のキクチでは、iPhoneをはじめAndroidスマホ・iPad・ノートPCのバッテリー膨張修理を承っています。全国どこからでも郵送修理をお受けしており、診断は無料です。「膨らんでいるかどうかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。
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修理のキクチでは、全国どこからでも郵送で修理をお受けしています。
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